「訪問美容そよかぜ」のホームページをご覧いただきまして、ありがとうございます。
代表で、美容師の遠木ナオ(とおき なお)と申します。
湘南の「訪問美容そよかぜ」は、
健康上の理由や、ご高齢などのために、
美容院やエステサロンへ行けない方々に各種美容メニュー・エステメニューを
ご自宅でご提供させていただき、
美容院やサロンへ行ったときと同じような「キレイ」「癒し」のよろこびを
味わっていただきたい、との想いから始めました。
神奈川県藤沢市で育った私は、小さい頃から、母に髪の毛を洗ってもらったり、結ってもらうことが大好きでした。
そして、母のマネをして、私も、お人形の髪を洗ったり、結って遊んでいたことを記憶しています。
両親は身なりに気を配るタイプの人たちでしたし、兄も”オシャレさん”でした。
その影響からか、私は子供の頃から、「美容」というものに対して強い興味と関心があったようです。
そして。
あれは、イギリスに移り住んでいた、14歳のときのことでした。
偶然通りかかったロンドンの美容院「Vidal Sassoon(ヴィダルサッスーン)本店」から出てきたお客さんと、その横に寄り添う美容師さんのあまりにも素敵な笑顔に、私は心を奪われたんです。
気がつけば、その場に座り込んで、何時間もお店の中の様子を見続けていました。
スタッフの方々の温かさ、気配り。
はじめて間近で見た美容技術の素晴らしさ。質の高さ。
そして、お客様方の輝くような笑顔ー。
それからというもの、毎週末のようにこのお店の前まで足を運び、店内を見続けていたのですが、あるとき、お店から美容師さんが出てきてくれて、私を店内に案内してくれました。
さらに、お店の近くにあるVidal Sassoonの美容学校へも連れて行ってくれたのです。
そして、その美容師さんが、私に話してくれました、「あなたが美容師に興味を持ってくれていること、私はすごく嬉しいの。だから、いい? まずは、あなたの国・日本で美容師になって、経験を積んできて。そしたら、イギリスにきっと戻ってくるのよ。私が、待っているからね」
当時、14歳。美容師を志した瞬間でした。
ロンドンの美容院「Vidal
Sassoon(ヴィダルサッスーン)本店」を撮影した写真を切り抜き、肌身離さず大切に持ち続けました。
その後、周囲の反対を押し切る形で帰国し、日本の美容師学校へ入学。同時に美容サロンで働き始め、都内と神奈川県の数店舗で約8年間、美容師としての経験を積んできました。
さまざまなことに悩んだり、挫けそうになったこともありましたが、それでも、Vidal Sassoonで学びたい一心で頑張りました。
そして1999年。
私は、イギリスへ戻り、念願だったVidal Sassoonの美容学校へ入学しました。
学校では、「お客様の状態を第一に考えた上で、プロとして美容の技術を提案・提供する」というイギリス式の美容を学びました。
そして、イギリスの美容師資格も取得。
「イギリスと日本、それぞれの美容技術をうまく融合できれば、まったく新しい、それでいて理想的な美容師になれるのでは」と考え、
Vidal Sassoonの修了後はカレッジに進学して美容関連のさらなる勉強を続けるかたわら、イギリスの美容院でアルバイトをするようにもなりました。
学校で、現場で、イギリス式の美容を学ぶ充実の日々。
しかし、そのイギリスで、私は、重度のアレルギーを発症してしまうのでした。
ある日、学校の「ビューティーセラピー」の授業で、顔にパックを塗ったときのこと。
私の顔はみるみる赤くなり、かゆみを感じるよりも前に顔が大きく腫れあがり、歩くことすらできなくなってしまったのです。
病院で検査をしてみると、それは、アレルギー反応であることが判明しました。
自分にアレルギーがあることなど知りもしなかった私は、大きなショックを受けました。
その後、大学病院でさらに精密な検査を受けてみると、私には、美容薬剤・医薬品・金属・食物・花粉・動物など、多くのアレルギーがあることがわかりました。
検査を担当した医師には、「あなたが安全に暮らせる場所は、宇宙にしか無いかもしれない」とすら言われました。
それでも、イギリスの美容院でアルバイトを続けていたのですが、いくつかの材料は扱えなくなったものの、私はカット専門だったので(イギリスの美容院では、パーマやカラーなどの薬剤を扱う職種と、カット専門の職種とは完全に分業でした)、業務自体には特に問題はありませんでした。
自分にアレルギーがあったことはショックでしたが、美容師としての業務に支障が無ければ、まあどうにかなるか…と、ある程度楽観的に考えるようになりました。
そして、美容師業と合わせてセラピストやエステティシャンの仕事なども経験した後、「イギリスで培った経験を日本で活かしたい」との想いから、2003年に帰国しました。
しかし…
薬剤アレルギーがある私を美容師として雇ってくれる美容院は、日本にはありませんでした。
日本の医師にも「美容師として働くのは難しい」と言われました。
それでも美容師への想いを断ち切れなかった私は、ある美容院の受付として働くことになりました。
ですが…。
店内に浮遊する薬剤に体が反応してしまい、アレルギー症状が出てしまうのでした。
結局、美容院で働くこと自体をあきらめました。
イギリスへ戻ることも考えましたが、「イギリスで学んだことを日本の美容業界で活かしたい」との強い思いで帰国した手前、それは逃げ帰るようなもののように感じられてしまい、どうしても嫌でした。
それならばと、フリーランスの美容師兼セラピストとしての道へ進みましたが、アレルギーの症状は悪化する一方。食べるものすら極端に限られるようになり、自宅の様々な物にも反応して、まさに生き地獄のような日々に陥りました。
もう現場では働けない。
そう思った私は、美容師ではないものの、美容の世界のひとつである「レンタル衣装」のお店に再就職しました。しかし、今度は、衣装のクリーニング薬剤にアレルギー反応が出てしまい、退職…。
もう、どうやって生きていったら良いのかすら、わからなくなってしまいました。
体も、心も、ボロボロでした。
美容の現場を離れてからは、家族や友人にのみ美容サービスを行ってきました。
心身が疲弊した私でしたが、その時間だけは、楽しく感じられました。
私を元気づけようと食事やお茶に誘ってくれる友人たちとも、気がつけば美容に関する話ばかりをしていました。
そして、友人たちは口を揃えて言いました、
「美容の話をしているときのナオが、やっぱり一番輝いているよ」
涙があふれてきました。
あんなに苦しめられた美容業なのに、
私はこんなにも美容業を愛している。
美容の世界を、あきらめきれずにいる…。
14歳で志した、美容の世界。
私は、どうにかして、この仕事をこれからも続けていきたいと思いました。
同時に、私は思いました。
「私と同じように、
様々な理由で美容院やエステサロンへ行けない方々にも、”キレイ”や”癒し”を
お楽しみいただける時間をご提供したい」
「あの、ロンドンのVidal Sassoonで見てきたお客さんたちのような、
美容サービスを受けたあとの素敵な笑顔を、よろこびを、
美容院へ行けない方々にも感じていただきたい!」
そして2014年、
私はこの、「訪問美容そよかぜ」をスタートする決意を固めたのでした。
美容院へ行きたくても行けない方々のお気持ちを、
私は良くわかっているつもりです。
なぜなら、私もそのひとりですから。
あきらめないでください。
ともに、安全で、安心で、それでいて快適な、
”キレイ”や”癒し”を楽しみましょう。
私が、その楽しみと喜びを、
みなさまのもとへとお届けします。
そう、
そっと吹く、そよかぜのようにー
遠木 ナオ(とおき なお)
神奈川県藤沢市出身。
現在も藤沢に暮らす。
日本美容専門学校卒業。
平成7年、美容師免許を取得。
美の本場・イギリスでも約5年間、美容を学んだ経験を持つ。また、イギリス留学中には重度のアレルギーを発症。
その経験をもとに、「健康上の理由などから美容院へ行けない方々に、各種美容メニューをお届けしたい」との志を抱き、地元・藤沢を拠点に「訪問美容そよかぜ」を立ち上げる。
【資格取得】
■日本
美容師 / 管理美容師
■イギリス
美容師 / ビューティーセラピー/ リフレクソロジー / マッサージ